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zoom RSS 火星の空の実際 映画「オデッセイ」(The Martian)の参考

<<   作成日時 : 2016/02/13 17:56   >>

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 映画「オデッセイ」(原題 The Martian)では、火星の昼の場面で、空が写っている場合がある。雲が浮かんでいたりして、色合いはともかく、特段、地球の空と差をつけているわけではないように見受けられる。

 火星の空を映した画像、とくに地平線付近から天頂方向までカバーする写真はあまりみかけないが、調べてみると少しはあるようだ。これと、地球の高高度での空の写真などもあわせて考えてみる。

 あわせて、原作中でワトニーが道しるべとしている、夜空の星や、衛星フォボスの見え方も確認してみる。


■火星の空

 日中の火星の空は、大気が薄いため天頂方向は黒っぽく地平近くは砂塵により赤っぽい。氷とドライアイスの雲が白っぽく輝いている。火星探査ローバー「オポテュニティ」が撮影。
Astronomy Picture of the Day(2006 October 17)
http://apod.nasa.gov/apod/ap061017.html

画像


◎参考:火星の大気圧での地球の空の色

火星の大気圧は、Wikipedia日本語版によると平均0.75ヘクトパスカルで、地球(1035ヘクトパスカル)の135分の1しかない。地球では、この大気圧になる高度はだいたい27qくらい。このくらいの高度での空の様子を撮影した写真がある。気球でデジカメを打ち上げて撮影したものとのこと。火星の地表は2枚の下の写真の高度の中間くらいなので、空の色は本来、ほとんど真っ黒なのかもしれない。


(1)高度20qくらい?
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(2)高度35qくらい?
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引用元ページ:「晴れ時々スターウォッチング デジカメで地球を撮影 2010-03-27 14:47:56」
http://blog.goo.ne.jp/astro-r61d/e/9e3ae16f9121deb76f236f7af5961242
※おおもとのページのリンクは切れてしまっているようなので、出典は上記ページとしておきます。

■火星の青い夕焼け(2016.3.20元記事より転記)

 「火星の青い夕焼け」は、火星の異質さを象徴する光景のひとつと言える。日没のシーンは映画の比較的冒頭に出てくるのだが、地球のごく普通の夕日のように描かれている。火星の夕焼けが赤くないことを知っている人は「あれ?」と思ったのではないだろうか。

(1)マーズ・パスファインダーが撮影した火星の青い夕焼け
NASA Photojournal より。
https://t.co/1k7HOnVhkA

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(2)キュリオシティによる火星の日没
同じくNASA Photojournalより。
PIA19401: Sunset Sequence in Mars' Gale Crater (Animation)
https://t.co/XfkELgTnR6
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(3)「WANDERERS」

 火星の青い夕焼けを映像作品に取り込んだ例もある。

 短編映画「WANDERERS」は、火星の青い夕焼けをはじめ、リアルな火星景観が秀逸な作品。火星探査ローバーが撮影した画像をベースに、人物や気球を新たに描きこんでいる。

 本作は火星がメインではなく、太陽系の惑星・衛星の数々の絶景が、そこで活動する人物とともに描き出されている感動作。

http://www.erikwernquist.com/wanderers/
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■火星の星空

原作「火星の人」では、スキアパレリ・クレーターに向かう最後の旅の中で、ワトニーは星を頼りに現在地を把握する。具体的には、夜間に、はくちょう座のデネブを手製の六分儀で観測して緯度を把握し、昼間、フォボスの出没時刻を計測して経度を算出している。

(1)デネブの見え方(2016.3.20追記)
 火星では、白鳥座のデネブは、天の北極から10°ほど離れた位置に見える。完全に北極を指しているわけではないが、北極付近にある明るい星ということで参照していたのかもしれない。2037年5月24日のデネブの見え方を、「Mitaka Plus」(http://orihalcon.jp/mitakaplus/)と「つるちゃんのプラネタリウム(フリー版)」(http://homepage2.nifty.com/turupura/index.htm)で調べてみた。

アレス3着陸地点付近
・つるちゃんのプラネタリウム
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・Mitaka Plus
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エントランスクレーター付近
エントランスクレーターは、スキアパレリ・クレーターの北の縁に位置するクレーターに、作中でワトニーが付けた名前。アレス4着陸地点であるスキアパレリ・クレーターへの進入口の目印としたため、こう名付けられた。
・つるちゃんのプラネタリウム
画像


・Mitaka Plus
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(2)火星探査ローバー「スピリット」が撮影したオリオン座。
実際に探査機が地上から撮影した星空の例。
PIA03070: Stargazing at 'Husband Hill Observatory' on Mars
http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA03070
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(3)同じく火星の2つの月、フォボスとダイモス、アルデバランとプレアデス星団(すばる)
PIA06339: Two Moons and the Pleiades from Mars
http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA06339
画像




■火星の月

原作「火星の人」では、ワトニーがパスファインダーを探しに行く最初の旅と、前記のとおり最後の旅で衛星フォボスを頼りにしている。初回は、フォボスの出没により東西の方角を把握し、最後の旅では経度の把握に活用している。

(1)火星探査ローバー「キュリオシティ」が撮影したフォボスによる日食
PIA17356: Annular Eclipse of the Sun by Phobos, as Seen by Curiosity
http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA17356
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(2)火星の地表から見たフォボス、ダイモスと、地球から見た月の見た目の大きさの比較
PIA17351: Illustration Comparing Apparent Sizes of Moons
http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA17351
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(3)火星探査ローバー「スピリット」が撮影した火星による「月食」。フォボスが火星の影に入り、「火星照」に照らされほのかに輝いている。
PIA03201: 'Mars-shine'
http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA03201
画像



(4)火星探査ローバー「キュリオシティ」が撮影したフォボスによるダイモスの食
PIA17089: Two Moons Passing in the Martian Night
http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA17089
画像



■火星から見た地球

ワトニーも見たであろう火星の「宵の明星」。日没後の空に輝く地球と月。「キュリオシティ」ローバーが撮影 。
アーサー・C・クラークの短編にも、取り残された宇宙飛行士が地球と月の日面通過を眺める作品がある。

http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA17936

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※この記事は、元記事からカテゴリを分離して作成ました。
【元記事】映画「オデッセイ」(The Martian)参考 ワトニーの足取りと火星の自然の実際
http://masamich.at.webry.info/201602/article_1.html

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
火星の月:フォボスの動きの早さと火星から近くていつも月食になるのはクラークの「火星の砂」で覚えました。
火星から見た地球:月も一緒に見える アシモフのミステリ短編のネタばれだw
原作ファン
2016/04/02 12:35
ダイモスの食のフォボスの動き できればオリンポス山からダイモスまで伸びる軌道エレベーターの展望台からどの様になるか見てみたいです。
原作ファン
2016/04/02 12:41
原作ファンさま
フォボスの動きはなかなかイメージしにくい事象のひとつですね。高度が低いので高緯度に行くと見えなくなるとか
火星から見た地球についての引用は、クラークの「地球の太陽面通過」からでした。
火星の軌道エレベーターについてはロビンソンの「レッド・マーズ」に出てきます。(破壊されてしまいますが)
MASA(管理者)
2016/04/02 15:49

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