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zoom RSS ティアマト彗星の周期性〜「君の名は。」雑感

<<   作成日時 : 2016/12/19 00:40   >>

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ティアマト彗星の軌道〜「君の名は。」雑感(http://masamich.at.webry.info/201612/article_1.html)

「君の名は。」に関するブログで、最近面白いと思ったのは以下の二つ。

「君の名は。」の彗星は実在? 天文学者と考察(http://ameblo.jp/iwmtmkk/entry-12214709505.html

国立天文台の渡部潤一副台長のコメントをいただいている点が最高に面白い。

新海信者が『君の名は。』を見て新海誠に敗北した話(http://ameblo.jp/iwmtmkk/entry-12214709505.html

新海作品の変容についての感想もとても興味深いのだが、改めて考えさせられたのが東日本大震災との対比。特に、「シン・ゴジラ」も含めて、実際には我々日本人が敗北を喫した東日本大震災に対して、イフの世界でありながら打ち勝つ(「シン・ゴジラ」は国家レベル、「君の名は。」は個人レベル)物語であるという点である。

そう考えてみると、作中のティアマト彗星の公転周期である1200年というのは、オーダーとしては日本海溝の大地震の周期に近い。東日本大震災が2011年、貞観自身が869年なので、その間隔は1142年である。

なお、東日本大震災をイフで克服する、という観点に立つと、やはりラストが東京よりも飛騨地方の方がよかったのではないかという気がしてくる。東北地方と中部地方ではまた中山間地の様相も違いそうだが、震災後の東北地方の地方部では人口流出が加速し、復興をいっそう困難にしている面がある。瀧が三葉との邂逅を忘れながらも何かに突き動かされて糸森周辺に職を求め、災害から復興を目指す三葉たちと再会する、という方が東日本大震災のリベンジという点ではふさわしかったように思う。作中で、テッシーたちが皆故郷を離れ東京に暮らしている風なのは、そう言う点ではむなしさを覚える。

■ティアマト彗星の周期性

ティアマト彗星が長周期ながら回帰するということは、それを母天体とする流星群というものが考えられるのではないかと思い当たる。

流星群(Wikipedia日本語版)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%81%E6%98%9F%E7%BE%A4

流星群の現代的な解釈は、地球軌道と交差または近接する軌道をもつ彗星から放出されたダストが、その軌道上に広がった「ダストトレイル」を形成し、それが地球と衝突する際にダストが大気圏に突入して無数の流星が観測されるというもの。

ダストトレイルは2001年のしし座流星群のころから急速に知名度があがったように記憶している。概念としては至極当たり前のように思うが、それが実際に追跡計算され、流星群の予報精度に役立つというのはすごいことだと思う。

また、ダストトレイルはあくまで計算上では求められるが見るのは難しいと思っていたら、近年では直接観察される事例も多いのを知り、驚かされた。

ダストトレイル(Wikipedia日本語版)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%AB

ダストトレイルの例。上記記事より
画像

画像


流星群の母天体としては、しし座流星群のテンペル・タットル彗星、ペルセウス座流星群のスウィフト・タットル彗星が有名で、公転周期は33年と133年で比較的短い。上記「流星群」の記事に挙げられている流星群の中で、ティアマト彗星のような長周期の彗星が母天体として判明しているものはない。

ただ、ティアマト彗星の場合は地球軌道のきわめて近くを通過する軌道をもっていること、作中で核の分裂も含め、ダストの放出が活発と考えると、流星群を伴う可能性もあるのではないかと思う。

前の記事で決定した軌道要素を使ってティアマト彗星の地球近傍での飛来方向を見てみたのが次の図である。

画像


図は前の記事と同じMitaka Plusで作成した。図の中央やや右上にある白丸がティアマト彗星の位置で、図の奥行き方向から手前に向かって運動している。地球固定視点で見たときの流星の飛来方向を示していると考えられる。背景の星を見ると、うお座の領域の、おひつじ座との境界付近に位置している。もし「君の名は。」の世界でティアマト彗星由来の流星群があるとしたら、「うお座流星群」ないしは「おひつじ座流星群」と言ったところか。

もし流星群のみならずダストトレイルが観測できたとすると、母天体の探索が行われるかもしれない。また、その過程で、仮の名前として「ティアマト彗星」という名前が付けられるかもしれない。彗星は発見者の名前が冠されるのがふつうであることは、いくつかのブログで指摘されているが、未発見の天体のあだ名だったということにすると、そんなことも、あるかもしれないと思えてくる。ティアマト彗星は、「プラネットナイン」や「ネメシス」などのように、仮説上の天体としてスタートしたのかもしれない。

ダストトレイルの形状などから軌道の形や公転周期が推定されると、軌道に沿っての母天体の集中的な探索や、前回回帰時の記録の調査も行われるだろう。ティアマト彗星の前回回帰は813年、平安時代ということになるので、もし2013年のように大彗星になっていれば、間違いなく記録に残っているだろう。糸森湖を形成した隕石落下があったとすれば、なおさらである。

■その他
作中でティアマト彗星が落下する2013年10月4日の東京と岐阜県高山の気象を調べてみた。というのは、三葉たちの制服が夏服や浴衣姿が、日付と比べるにどうも季節はずれな感がぬぐえないからである。これが鶴田謙二のキングマイ舞子の世界みたいに、温暖化した近未来の話であれば納得がいくのだが、現代日本で10月に夏服で浴衣というのがどうも引っかかる。クールビズも昨今は10月いっぱいとするところがあるようだが、「暑さ寒さも彼岸まで」というように10月に入ればかなり涼しくなり、いくらクールビズ可能とはいえ長袖が欲しくなる日が多くなるように思うからである。

2013年10月4日はすでに過去なので、当日の気象についても気象庁のサイトで公表されている。なお、当然ながら「糸森」のデータは無いので、ここでは便宜的に高山のデータを挙げた。

東京の1時間ごとの値
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2013&month=10&day=04&view=

岐阜県高山の1時間ごとの値
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=52&block_no=47617&year=2013&month=10&day=4&view=

これを見ると、高山の20時の気温は16.3度となっている。夏の装いには少し寒い気がする。糸森町は高山よりもさらに山手と思われるので、なおさらである。天気は曇りだが、雲量が少なければ、彗星は拝めるかもしれない。

東京は曇り、20時は降水の観測はないものの雨となっている。日照時間は1日を通じて0分なので、こちらは(少なくとも現実世界の東京では)彗星の観測向きではなかったかもしれない。

keywords : comet Tiamat, "Your name", "Kimi no na wa"

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