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zoom RSS 冥王星の地表の明るさは

<<   作成日時 : 2012/06/07 00:23   >>

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「宇宙戦艦ヤマト2199」第二章では、木星大気圏内の浮遊大陸、冥王星などが舞台となる。いずれも太陽系内の世界だが、太陽との距離に応じて、光の加減はずいぶん違うはずである。そこで、地球、木星、冥王星での明るさの関係がわかるような画像を作ってみた。

画像の左側から順に地球、木星、冥王星での明るさに相当する。

太陽からの平均距離は、地球を1としたとき(1AU)に木星が約5AU、冥王星が約40AU (ただし離心率が大きいので実際は30〜50AUで変化)なので、明るさが距離の二乗に反比例して減衰するタイプの光源を球体群の上、高さが1:5:40になるように配置した。木星では地球に比べて1/25、冥王星では1/1600の明るさとなる。

画像


画像は24ビットカラーなので、輝度は256段階、0(真っ暗)を除くと255倍までしか表現できない。この画像では、光源の明るさを、木星での明るさが、やや暗めに描画できる程度に調節している。木星に対する冥王星での明るさは1/64に過ぎないので、なんとか黒つぶれしないで描画できている。代わりに地球は露出オーバーで白くとんでしまっている。

冥王星はそれほど暗い。ボイジャー2号が撮影した海王星(冥王星よりやや太陽に近い)の画像を見ていると想像しにくいが、これらは長時間露光の成果である。実際の観測に当たっては、それより太陽に近い天王星接近の時からすでに問題になっていて、別冊日系サイエンス「ボイジャー最後の旅」所収の「天王星探査を成功させたボイジャー2号の技術」では、原子力電池の経年的な出力低下より光量不足のほうが深刻な問題だったとしている。衛星ミランダ近傍を高速で通過しながらブレのない写真を取得するために、探査機の姿勢制御システムにダミー信号を入れて機体をわずかに回転させる手法がとられた。カメラ自体の回転機構の限界を越える微妙な操作が要求されたからである。

実際のところ、冥王星の地表にたったら、どの程度の明るさに感じられるのだろうか。

5月21日の金冠日食-部分日食のときの国内での食分をざっくり9割とすると、地表の明るさは通常のざっくり1割となる。あの異様な暗さが印象に残っている人も多いと思うが、冥王星の地表の明るさは、この1/160である(太陽の像は周縁部ほど暗いので、明るさの差はもう少し小さいと思うが)。

また、晴れた日の日向の照度は約10万ルクス、普通に照明された室内の明るさが1000ルクス前後とのことなので、晴れた日の1/1600ならば室内の明かりの1/16程度ということになり、かなり暗く感じる。照度で言うと62.5ルクスである。

一方、満月の月明かりの下の明るさは0.2ルクスとのことなので、これよりは300倍程度明るいことになる。警察庁の「安全・安心まちづくり推進要項」によると、公衆トイレ周辺の照度基準が50ルクスとされていて、これは10m離れた人の顔や行動が明確に識別でき、誰であるか明確にわかる以上の照度とのことである。冥王星の昼の明るさは、照明された夜の公園程度と考えていいようである。長期間滞在するなら、目がなれて、もう少し明るく感じるようになるのかもしれないが。

今度、夜の公園を歩く機会があったら、冥王星の地表に思いを馳せてみるのもいいかもしれない。

■参考リンク

光と色の話 照度の性質
シーシーエス株式会社
http://www.ccs-inc.co.jp/s2_ps/s1/s_04/column/light_color/vol08.html

(2015/07/19追記1)
上記のページの注釈「※1」に太陽系の各惑星での明るさについての試算が掲載されています。
http://www.ccs-inc.co.jp/s2_ps/s1/s_04/column/light_color/vol08.html#e01

(2015/07/19追記2)
冥王星探査機ニューホライズンズ(New Horizons)の冥王星接近通過観測(フライバイ)に関連して、「Pluto Time」という企画がNASAの公式サイト上で行われています。これは、地球上の黄昏時または明け方、地表の明るさが冥王星と同程度になる時間帯に写真をとって共有しようというもの。ツイッター上でも同様の写真の投稿が見られますが、地球の場合、実際の冥王星と異なり、空がかなり明るいので注意が必要ではないかと思いました。
http://solarsystem.nasa.gov/plutotime/

冥王星に行くとどのくらい暗い? - Imamuraの日記 - はてなダイアリー(2016.11.6追記)
New Horizonsの冥王星接近の頃 冥王星の明るさについての考察
http://d.hatena.ne.jp/Imamura/20150713/pluto

Keywords: "Star blazers", Pluto



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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
また当方のブログで参考にさせて頂きました。今度はトラックバックはしないでおきましたので。
どうも宇宙空間の殆どは「真っ暗」と考えた方が良いでしょうね。
発光する恒星の近くでは無い限り、ヤマトなどの宇宙船が浮かんでいても、照明が無いので普通のカメラでは撮影できないでしょうね。
では失礼しました。
RIBON-Y
URL
2013/10/20 23:23
RIBON -Y さん、こんばんは。
まあ、恒星の周囲にいる限り明かりはいくらかでもあるんでしょうけど、室内の明かりよりは絶対暗いですよね。
そんな光景が生中継されるような時代が早く来ないかななどと思ってます。
MASA
2013/10/28 21:53

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